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My Studio in Progress
・リスニング環境の調整も重要だ。
まず上の図、僕の部屋にどういうふうに機材(特にスピーカー)を配置するかを検討する際に書いた図。物理的にはどちらでも置けるのだが左の図の配置にした。大きな理由はフロントスピーカーの左右、左図の配置ならどちらも似たような材質、形状、距離。右図の配置だと、左側はコンクリートの柱に近接、右SPはSP横は自由空間だ。つまり左右の環境が大きく異なる。図面上でも明らかだが試しに置いて鳴らしてみた。....案の定左右、妙に音質が違うしセンター定位もイマイチ。この状態からだと相当に労力をつぎ込んでも得られる成果は少ない。やはり部屋の形状から一番良さそうな配置を探すのが早道だ。
では、左右が全く同じシンメトリックな形状がベストかと言うと実はそうでもない。シンプルな部屋は見た目は良いがフラッター( flutter echo)を生じやすい。学校や病院の廊下とかで歩くだけでも靴音がビョンビョンビョンって響くのを聞いた事無いだろうか?エンジニアや音の研究とかやってる輩はすぐに手を叩いてみる習性がある。手をたたいてみるとその空間の広さや形状によってさまざまな音が聞こえる。トンネルとかならかなり長い「パッア〜〜〜ン」って感じだが、ここでいうフラッターは比較的狭い空間の平行面同士で反射する音、たいがいが「ピョン」や「ビョン」。こいつがいると音が濁ったり変なカラーがついたり、良い事は何も無い。確実に音響障害となる。(日光東照宮の鳴き竜のようにそれを逆手にとって観光名所となっている場所もあるにはあるが)
何も無いガランとした部屋にまずは必須の仕事道具だけを置いてみたが、案の定「ピョン」!!!
友人のギター弾きが以前はベッドもテレビも何もかもある部屋で作曲とかしてたようだが、広いマンションに引っ越してほとんど仕事道具のみのシンプルなモデルルームみたいな仕事部屋を確保したとたん、ひどいフラッターに悩まされる事になった。近所ののスーパーから凄い量の卵パックを貰ってきて全部の壁と天井に貼り付けてとりあえずフラッター君には退散していただいたようだが...。まぁ、そこまでする御仁なんてそうザラにはいないだろう。そうは言っても結果的にはフラッター除去に関しては効果的だったと思う。ただ、見た目がねぇ〜〜!!!
僕の部屋、いくら効果があると言っても卵パックを貼るつもりはさらさら無いので作業机の左側にスチール製の収納ラックを置いた。ケーブル、エフェクター、工具、テープやハードディスク等の収納スペースにちょうどいいし、うまい事音が拡散してくれるので「ピョン」はあっさり退散した。ホントはこれで退散しない場合には収納ラックの前面に目隠しを兼ねた布を掛けようかと思っていたがその必要も無かった。
シンプルな部屋にしたくても自動的にいろんな物が増えていくので結果的には拡散音場が出来上がっていつのまにか障害が退散。ま、結果オーライって事で。
ちなみに「ピョン」がどことどこの間で発生してるかを探すのはそう難しくは無い。企業からの依頼で大学の研究室とかのお仕事なら4点法で計測して一般化調和解析して反射音の分布を見る。でも自室の場合は誰もそんな事はしない。とりあえずまずはどこかの壁一面をカーテンや毛布などで覆って手を叩いてみる。そこで効果が無ければ次の壁、さらに効果無ければ次、それでもダメなら床に布団を敷いてみる....って手順。壁一面を何かで覆ってみる時はマイクスタンドを何本か使えば簡単だ。
僕の場合はプロツールズも有るし、せっかく部屋も採寸したので無指向性のマイクをリスニングポイントとそこから前後、左右、上下に非対称な位置へズラして手を叩いて録音してみた。波形を拡大すると反射音の波形もキッチリ見えるので原音との時間差を見て計算すると距離が出るのでマイク位置とその距離を見ればどこの壁の反射なのかが簡単にわかる。等距離に壁や天井がある場合はマイク位置をズラして再度録音して拡大。プロツールズってなんて便利なんだろう〜!!