Sarraundの魅力 |
仕事としてサラウンドミックスをする場合、自分を取り囲む音場をどのようにデザインするかによって必要な機材は変わる。
が、いずれにしても発音場所と響きが前後左右に相関関係を持ち自然に響いてくれないと不自然になってしまう。最近では実際のホールを使って録音していなくてもかなり自然なホールの響きを再現する新しいタイプのリバーブが登場してきた。
モノラルの頃も、ステレオになってからも、そしてサラウンドの再生環境が可能になった現在でも、実際の演奏を出来るだけ忠実に再現したいという要求は常にあった。後方にもスピーカーを置ける環境では音場まるごとを収録する事も可能になってきた。
電気音響を介した音響表現は計算や理論も多く発表されているが、エンジニアのセンスや技量に負うところが大きい。モノラルからステレオになった当時もさまざまな試行錯誤が行なわれ、左にドラム、右にギターといったパンニングのレコードも実際にあった。ステレオからサラウンドへ移行しつつある現在、まだ定石のパンニングテクニックはは登場していない。言ってみれば何でも有りだ。だが、一つの方向としては、実際のホールで聴くがごとく、その音場そのものを再現しようとするものだ。すなわち演奏者のいる前方にほとんどの音源が定位し、残響や観客のリアクションは側方や後方に定位する。特にライブ盤の臨場感はモノラルからステレオとは次元の違う再現性が得られる。もちろんここでもその効果はエンジニアのセンスや技量に負うところが大きい。