□Sonic soundBlade LE の使い方
「業務用のマスタリングスタジオはみんなSONICだし,宣伝見ても唯一のフルスペックのマスタリングソフトってのがコレらしい。数有るプラグインを駆使して音質を過激に変える事も可能なProToolsに慣れちゃうといじれる範囲は少ないので多少ぬるい感じもするが、なにせマスタリングツールとしては20年王道を歩いて来たソフトだし、プレス工場に送付する際の互換性を考えるとコレかなぁ.....。
そのSONIC soundBladeシリーズちょっと前までは約30万円、これがVer.2になって随分安くなった。廉価版の soundBlade LEなら4万5千円、4CH使えるsoundBlade SEで10万、8CH仕様のsoundBlade HDだとさらに23万。
良いタイミングでキャンペーンとかに乗っかればさらに安くGet出来る。(僕はPeakからの乗り換えキャンペーンで半額だった)
で、例に漏れずコイツもマニュアルは188ページもあって超わかりにくい、....って訳で以下に簡単にササっと曲順に並べてPQ情報を入れプレス工場に送るDDPファイルセットを作成するやり方を説明する。僕はソニックの人間ではないので(フリーランスのレコーディングエンジニアなので)内容を保証するものではない。また、もっと別にたくさんの事が出来るかもしれないが、
動作環境:MAC OS10.5.8以上のIntelマックでしか動きません!!メモリーは最低2GB、4 GB以上が推奨。
新規Project:メニューバーからFile > New Projectを選択し、Save project as で名前とProjectの格納場所を決める。
初期設定:まずは自分の好みにそった(仕事内容に準拠した)初期設定を行う。ほとんどデフォルトのままでも問題無いが、最初だけ一通りチェックしておいた方が良い。.詳細の説明&設定方法は別に記載する。
音源の配置:音源を配置する作業はタイムライン上にドロップすれば良いだけだがPQとの兼ね合いでいくつか方法が有る。
1)オーディオファイルをタイムライン上にドロップする。(PQは入らない)
2)command key を押しながらオーディオファイルをタイムライン上にドロップする。(自動でPQが入る)
3)複数のファイルをまとめてタイムライン上にドロップする。(ファイルネームの昇順に並ぶ)(PQは入らない)
4)メニューバーからFile > Open Sound File....でAudio Fileを指定する。(オーバービューの自動生成はしない) (PQは入らない)
→いづれの方法の場合もsoundBladeはオリジナルのAudioFileの他に独自のオーバービューを含むファイルを生成するので使用するAudioFileはあらかじめ一つのフォルダに入れラベルで色をつけておくとわかりやすい。
→今タイムタイムライン上に有る全部のオーディオファイルを表示させるには E を押します。ズームさせる場合は下向きの矢印キーで拡大表示、上向きの矢印キーで縮小表示します。 カーソルの位置を中心にズームさせる場合はcommand key を押しながら下向きの矢印キーで拡大表示します。
→任意の位置を拡大して見たい場合はカーソルで選択範囲を決めてcommand keyとG keyを同時に押すと選択範囲が拡大表示されます。
→配置されたオーディオには自動的に(勝手に)Fi / Foがかかり、これをSONICでは音声セグメントと呼ぶ。
(フェードタイプや長さは調整可能)PQの入れ方:PQコードを入れ方は大きく分けて3つある。
1)command key を押しながらオーディオファイルをタイムライン上にドロップする。(自動でPQが入る)
2)複数のファイルをまとめてタイムライン上にドロップし、command key と A key を同時にを押して全部を選択、
Markメニューから”Edited Black to Marks”を選択すると各オーディオファイルの頭とケツにPQが入る。3)波形を見て(音を聴いて)PQを打ちたい箇所にカーソルを置き、Mark メニューから"Track Start Mark"を選ぶ。
消去したい場合はMark メニューから"Delite Start Mark"を選ぶ。→すでに打ち込んだPQマークを移動するには { Option }キーを押しながら動かす。
PQの確認方法:Windows > Mark Infoを選ぶ
PQコードが入ってる場合は Mark Info画面に曲目が表示される。
曲を選ぶと編集画面上の波形が黄色く反転表示されW Clickで再生。再生状態にしてトランスポートの右側に有る[Marks]ボタンを押し
リストから選択すると選んだ曲があたまから再生される。
Windows > Mark Infoを選び、 Mark Info画面の左上に有るタブからPQ Deliveryを選ぶ
PQコードに問題が無い場合はグリーンの表示が出る。 PQコードに問題が有る場合は赤の表示が出る。 CD-TEXTの入力方法:Mark Infoの画面上部にディスクに関するメタデータを入力する欄が有る。アルバムタイトルとアーティスチオ名はここに入力する、その下にはトラック毎のメタデータを入れる項目が有る。PQ情報生成前に上記のアーティスト名を入れておけば各トラックには自動でそのアーティスト名が入る。曲名はオーディオデータの名前から自動生成される。(書き換えも可能)
ただし、諸々テストをしてみても日本語はまったく受け付けない。PeakやTostは少なくともCDを焼く事に関しては日本語入力が可能だった。(DDPファイルセットのTEXT.binには出力されなかった)
日本語のアーティスト名、アルバムタイトルや曲名はどうすれば良いのだろう?
UPC/EANの入力方法:Universal Product Codeの事で国際的に認知された商品コードです。ヨーロッパではEANですが日本ではPOS/JANなど、JANコードは(UPC:Universal Product Cord)の日本版であたまに2ケタの国を表すコード(日本は49または45)、次に9ケタのメーカーコード(流通システム開発センターに申請して取得可)、その後に3ケタの商品アイテムコード(企業側で自由に設定)、最後に1ケタのチェックデジットで構成され、通常はCDのバックインレイにバーコードで印刷する。CDマスタリングの際入力する場合はUPC13桁で入力、チェックデジットは流通システム開発センターのページでJAN企業(メーカー)コードとアイテムコードを入れると計算してくれるます。
インディの場合は発売元やプレス会社からナンバーを借りる事も可能です。
メニューバーの Window > Mark info を開いて左側,上から3段目に入力します。
ISRCの入力方法:「International Standard Recording Code」の略称で、日本語では「国際標準レコーディングコード」レコーディング(オーディオレコーディング及び音楽ビデオレコーディング)の識別に利用される唯一の国際標準コードです。ISRCは日本レコード協会に申請して取得します。申請要件は「自身が権利を有するオーディオ又は音楽ビデオレコーディングの日本の制作者(又は権利者)であること。」です。
ISRCを取得したらメニューバーの Window > Mark info を開いて真ん中あたりに入力します。ISRCは各曲毎に入力します。
DDPファイルセットの出力方法:soundBBladeはDDPファイルセットを包括したフォルダを自動生成してくれないのでDDPファイルセットの出力にあたっては自分で出力するフォルダを作成しなけらばならない。これを怠ってHD直下で[ Excute ]を押すとエラーになるので要注意。(エラー表示は何故かOut of memory(-16033)。 正しいやり方は以下。
Windows > Mark Infoを選び、 Mark Info画面の左上に有るタブからPQ Deliveryを選んで、DDPImageを選択(赤い表示が点灯)、一番下左側にグリーンの表示が有る事を確認してその上の[Excute]を押すとどの階層にファイルを作るかの画面が出るので左下[New Folder]をクリックし、好きな名前(英語のみ)を付けて[Create]を押すとDDPファイルセットの書き出しが始まる。
Prefernces:Edditing Tools
・Fade Tools (ON):フェードの自動編集ツールが有効になる。
・Snap to Edit Point (ON):Audioファイルをドロップさせる際に細かく合わせなくても編集ポイントに自動吸着する機能。
・Set to ZONE(ON):Audioファイル移動させる際に細かく合わせなくても別のオーディオファイルのエンドポイント(またはスタートポイント)に自動吸着する機能。
・Auto Spacing Duration(0秒):デフォルトの曲間設定。1秒、2秒,3秒にも設定可能。
・Analog Black Threshold (40) :Mark>Analog Black to Marksコマンドを実行する際のスレッショルド
・Edit with Audio:(SelectionRefernce Point )もしボリュームもオートメーションしたい場合はGain DeliverlyもON !
・Fade Shape (Linear) 5種類のフェードパターんから好みで選べるがFade 無しは選べない。
・Inport Fade ::(CrossFade)オーディオファイルをインポートする際に前のファイルとのつなぎ目がF.O/F.I処理にするかクロスフェード処理にするかを選択。Fade 無しは選べない。
Prefernces:Time Display
・Time Display (75fps CD フレーム):各種設定可能だが通常は75fps CD フレームで
・Nudge A/B/C (デフォルト値またはお好みで):Audioファイルを前後に移送する際の変化量のプリセット。
・Zoom to In/Out :View> Zoom to In/Outを実行した際のズーム率(デフォルト値またはお好みで)
・Zoom to Sel Start :View> Zoom to Sekection Starttを実行した際のズーム率(デフォルト値またはお好みで)
・Play alound In Point :ProToolsで言うところのPreRool、拡大して作業した結果を聴く様な際に選択範囲の何秒前から再生するかを決める。
・Play alound Out Point :ProToolsで言うところのPost Rool、拡大して作業した結果を聴く様な際に選択範囲の何秒後まで再生するかを決める。
・Show Subframes:すべての時間表時ウィンドウにサブフレームを表示するかどうかを決める。普通はオフ。
Prefernces:EDL Tab (編集画面タブ)
・Show Track Bar (ON):PQ情報を表示するトラックバーをアクティブにする。
・Show Segment Name (ON):タイトルバーにオーディオファイルの名前を表示させる。
・Create Waveforms Manually (Off ):音声ファイルを自動で波形表示する機能をあえてマニュアルにしたい場合はONに
→マニュアルで計算をさせるときは編集範囲を選択して File>Build Waveformコマンドを実行。・Foreground Waveforms (ON):波形表示機能がオーバービューを計算する過程をタスクバー表示させる。
・Backeground Waveforms (Off ) :バックグランドで波形表示機能がオーバービューを計算する。
・AutoScale On (ON) :波形パネル上最も大きな音量部分を自動的にゲイン軸のフルスケールにして表示(怪)。
・Select to View (ON) :表示される波形の最も大きな音量部分を自動的にゲイン軸のフルスケールにして表示。
・Show Track Scale in DB (ON) :ゲイン軸の目盛りがdb表示になる。(最高値はAES/EBU規格の24bit最高値)
・Scroll Mouse down (Off ):不明
・Auto Scroll Playhead (Off ):再生してカーソル(プレイヘッド位置)が 表示圏外に出ると次の画面に切り替わる。
・Auto Scroll Track (Off ):再生するとカーソル(プレイヘッド位置)はセンターで波形が右から左に移動する。
Prefernces:Delivery Tab (マスター制作タブ)
・Keep DDP Image (ON):CD-R作成時に生成されたDDPイメージを保持
・Emulation mode (off ):実際にはCD-Rは焼かないが焼いたときと同等のデータをHD上に作成する。
・Write CD-TEXT (ON):CD-R作成時にCD-TEXT も記録する。(DDP作成時は別の場所で設定する)
・Auto Increment ISRC (off ): 1曲目にISRCを打ち込めば2曲目以降は(1つづ増えた)次の番号になる。
・Delivery speed (4x ) :使用するCDライターにもよるがPlexWriter Premium2とかなら迷わず4x、普通のなら8x
・Start Offset (10 ) :CD再生機の性能により、頭が欠けたりしないように2〜20フレームのオフセット値を入れる
・End Offset (2 ) :CD再生機の性能により、演奏末尾が欠けたりしないようにオフセット値を入れる
・Track1 Offset (20 ) :CD再生機の性能により、最初のトラックの頭が欠けたりしないようオフセット値を入れる
・Splice Offset (0 ) :
・Minimam Indes Width (1秒 ) :滅多に使わないがインデックスの最小間隔を設定。通常は1秒。
・Disable Offsets:すべてのオフセットを無効にする。
・Enable On Output (ON) :出力時のディザー(ノイズ シェーピング)をONにします。
・Dither type ( mBit+) : Sgaped PDF / mBit+ のどちらかを選択可能。
→mBit+ はiZotope社が開発した最新の心理音響方式のノイズ シェーピング・Bit Resolution (16 ) :16/20/24から選択可能 CDは16ビット
・Turn off Delay (0.10) :最後のオーディオ信号が再生された後、ディザー処理を解除するまでの秒数。
Prefernces:Desk Tab
・Extended Sample Rates (off) :ONにすると44.1KHz以外(48/96/176/192)のサンプルレートにも対応する。
・Pure Gain (off) :ボリューム調整のゲイン変化を1ビット毎にする。
・Hard Limit (off) :オーバーコンプされている音源を扱う際はONにすると良いらしいが....。
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