3)慎重にクロスポイントとクロスフェードカーブを決めます。
同じ編集点でもProToolsでやった際に聴こえなかった音まで聴こえちゃうので微調整は必要です。
4)全部編集が終了したらバウンスして書き出します。
5)リアのトラックについても全く同じ作業を行います。
前後のファイルの時間軸上の相関はマルチトラックで収録したProToolsを参照しますが実際のリスニング環境でホールでのマイクの距離差のままだと遅延が大きすぎてしまうので編集中は遅延ゼロで編集し、全編集終了後に試聴しながらリアの遅延時間を決定します。
以上が1ビット、ネィティブ編集のプロセスです。
1セッション4時間、場合によっては2セッションで8時間分の演奏の中から1曲分のベストティクを選ぶのはどのDAWを選択しても簡単ではありません。Clarityはまだまだ試作段階の域を出ず波形表示の拡大縮小や編集機能の洗練はProToolsに比べるとまだまだなので私はまずProToolsで仮編集し、その後Clarityの本編集は懇意にしているマスタリングエンジニア、(株)アンズサウンドの粟飯原友美さんにお願いしています。
編集がすべて終了したらアンズサウンドに持ち込んでDSDマスタリング、その後、iQuoriaへ送ってオーサリングという流れです。SACDの用のダウンコンバート等はiQuoriaでお願いしSACDのプルーフ盤を試聴してOKになればプレス工程へ送り、あとは製品を待つだけです。
オーサリング時に作成してもらった2.8MHz DSDのサラウンドファイルはOPPOでも再生可能でした。5.6MHzのオリジナルマスターファイルはKORG MR2000Sを2台シンクすれば自宅でも再生可能です。これらは将来的に超ハイレゾ作品として配信で提供しようと考えています。
今後、個人でClarityを所有出来る状況になり、機能が洗練され使いやすいものに進化する日を願ってやみません。