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□ProTools 中級 


「みんなProToolsだしぃ、買ってみたものの、何がどうなってんのかさっぱり」超初歩から勉強したいけどどうしたらいいかもさっぱり。 1200ページ近くあるインストラクション(Reference Manual)ををちゃんと見てもAVID社純正プラグイン以外の記述は無いし....。そんなミュージシャンやエンジニアも少なく無いよね!


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<Waves Tune>

ピッチ修正といえばプロの多くはMelodyneを使っている。これは和音でも修正ができたり、リズムや音量の修正も可能、エディット画面が大きく出来るなどメリットが多いからだ。
かく言う私もMelodyneは持っているが、ヴォーカル修正だとWave Tuneを選択することが多い。Waves GoldやプラチナバンドルはProのエンジニアならみんな持ってるのに何故かWaves Tuneは割と知られていない。こんなに良いのに!!!

Waves Tuneをあえて使うのには理由があって歌の微妙なヨレ、シャクリ、ビブラートを残しての調整の自由度が高くて「ガッツリ直しました感」が最小でも唄が(楽器演奏が)すごくうまくなる感じに修正可能だからだ。

もう一つWaves Tuneのいいところは、プラグインでありながらrewireでつないで、エディット画面上から再生のタイムライン位置を変更できる。再生のスタート箇所を移動させるのはProToolsの編集画面に戻らざるを得ないソフトが多い中、これはとてもありがたい機能だ。マニュアルを読まない人はこの使い方を知らない人も多いみたいなのであえて説明すると、空のAux monoトラックを一つ作ってWaves Rewireをインサートするだけでプロツールズ側のタイムラインでもWaves Tunesのエディット画面でも指定したポイントで再生スタート位置が可能になるのだ。

<ProTools+ WAVES tuneの使い方>

以下はWave Tuneを使う為の超簡単マニュアル。僕の個人的な備忘録みたいなものなのでオフィシャルなマニュアルではない。オフィシャルなマニュアルを見たい場合は上から4段目「Load」とか「Save」が並んでる右側にある「?」を押せば「Waves Tune Software Users Guide」が立ち上がる。英文20ページの詳細マニュアル。

1)まずプロツールズ上に新規のAux monoトラックを一つ作ってPulginリストのInstrumentからWaves Rewireを探してインサートする。

2)わかりやすいようにAuxトラックの名前をWaves Rewireとかに書き換える。

3)Waves Rewireの設定とかは特に無いので「非表示」にする。(そのままでもいいけどこの先もずっと何もいじらないので....)

4)ピッチ補正が必要なトラックにPulginリストのPitchShiftからWaves Tuneをインサートする。ちなみにTuneは他のプラグインの前、一番上位にインサートする事。

Waves Tuneをインサートして真っ先にやらなくてはいけないのはリファレンスピッチの設定。
バンドが演奏前にチューニングするのと同じ!! デフォルトだとA=440Hzに設定されているのだが、最近ではA=442Hzのセッションが多いのでまずはココを設定する。どうやって設定するかだが、Waves Tuneは以下のセクションがある。

・Global Correction section
・Segmentation section
・Correction Parameters section
・Graphic Editing Tools section
・Vibrato section
・Main Pitch Editing Graph

この中のGlobal Correction section内、左上、Referenceの下の枠の中、440となってるところをWクリックして442に書き換える。これを忘れて後でリファレンスピッチを変更するとせっかく取り込んだデータをクリアして再スキャンする事になる。

Refernce:デフォルトでは440、正しいリファレンスピッチに書き換える。
Shift:デフォルトでは0、ほとんどの場合このまま0で。
Formant:デフォルトではnon corrected、Vo.ではcorrectedにする事も多い。
Range:デフォルトではGeneric、バスやソプラノなら特定音域を選ぶと精度が上がる。

これでスキャン準備は整ったのでデータ取り込みの為の再生をする。

音がある場所に来ると波形フィールドがオレンジ色にハイライトし「Scanning」の文字が表示される。同時にピアノロール状のピッチ編集フィールドにセグメント(音符)の高低(音程)と長さが表示されるがスキャン中はまだ何の修正もされず元の音がそのまま聴こえる。

Scanning中
Scan終了後

曲を一度通せばスキャンは完了。その補正カーブとノートセグメンテーションが表示される。入力オーディオの元のピッチを検出した検出グラフがライトオレンジ、自動ピッチ補正により補正されたグラフが緑、オレンジの輪郭で囲まれた薄い黄色の四角がノート・セグメント。

スキャンが終了後の再生からは緑のグラフの補正が適用されている。元の音が半音の半分以上ズレていなければデフォル設定のままで繊細でニュアンスのあるシャクリ、ビブラートは残したままでかなり正確な音程になったハズだ。元の音が半音の半分以上ズレてるかも??Scanning中の写真で左側の鍵盤上の方に「レ」の音がオレンジ色になっているのはスキャンした音をWaves Tuneが 「レ」と判断したって意味。もしかしたらココ??って場合、スキャンが終わればこの鍵盤を押せばガイド音が鳴るのでホントのメロが「レ」なのか「レ#」なのか「レb」なのか絶対音感の無い君でも確認出来る。

元の音が半音の半分以上ズレていると間違った音程に修正されてしまうのは言うまでも無い。さくっと聴いてみて明らかにおかしい所はマニュアルで直す。マニュアルで直す際に使用する各種ツールはGraphic Editing Tools section で選ぶ。

選択されたツールはオレンジ色にハイライトされる。左の写真だとNote Toolが選ばれている。ほとんどの場合はこのツールだけで編集可能。
ピアノロールタイプの編集エリアに各音程毎にセグメント化された音符がグラフ状に表示 されてるので音程がおかしいところはマウスでつかんで移動する。(半音単位で移動可)

Scanning中オレンジにハイライトされてる部分はスキャンが終わると波形のオーバービューが表示される。この部分は一番左がゼロ秒、一番右が10分、赤いワクで囲まれた部分が下の編集画面に表示されてる場所を表す。(Waves Tuneは10分までしか使用出来ない10分に達するとWaveform DisplayにOutside session line isというメッセージが表示される。もし対象箇所が10分より後にある場合はProToolsのタイムラインでスタート箇所にカーソルを置いてプルダウンメニューからAcqure Session Start Time from Timelineを押すと新しいスタートタイムが設定出来る。

 

Waves Tune側から再生スタート箇所を指定する場合はオーバービューや編集作業エリア内ではなくその間の箇所(鍵盤の右上、Startと書いてある場所の右側のタイムラインをクリック。

Waves Tuneでの編集作業中、UndoやRedo、Deleteなどをマックのキーボードで行うとProTools側でやった作業に反映されWaves Tuneでの編集作業には反映されない。Waves Tuneの画面上のUndoやRedo、Clear Selectionボタンなどを使う。下向きの矢印はUndoヒストリーやRedoヒストリー

Undo、下向き矢印はヒストリー
Redo、下向き矢印はヒストリー
全部を選択
選択範囲内のデータを消去

ここまでを理解すればとりあえずWaves TuneにてPitch修正をする事が出来る。


ちなみにGraphic Editing Tools section にある他のツールだが、以下のような機能

スライスツール:ハサミのマークのこのツールを使用すると、ノート(音符のセグメント)を2つ以上のノートに分ける事が可能。ノートの一部を別のピッチに替えるような場合に使う。

鉛筆ツール:このツールを使用すると、好きなのピッチカーブを描く事が出来る。(ただし無茶な要求はおかしな結果になる)

ズームツール:虫眼鏡マークのズームツールを選択して、目的の領域をクリックするとその領域が拡大表示される。

Curveツール:折れ線グラフのマークのCurveツールは、補正曲線はそのままで選択したピッチカーブを上下にシフトが可能。

Glue ツール(Glue=接着剤の意味l):Glueツールでセグメントをクリックすると、次のノートがつながり1つの音符になる。次の音符の音程が異なっていた場合はクリックした音符の音程になる。


ラインツール:このツールは1回のクリックでドットを定義し、次の任意の場所でクリックするとそこまでの線が引かれ、ダブルクリックでラインを終了する。このプロセスは緑のライン(スムージングパラメータ)を書き換える(オーバーライトする)。

ナビゲーションツール :手のマークのこのツールを使用すると、編集ウィンドウ全体(上、下、左、右、斜めなど)簡単にナビゲート出来る。


<WAVES tuneのもう少し上級の使い方>

実はWaves Tuneは突き詰めたいならまだまだ深く細かく調整する事も出来る。奥はメチャクチャ深い!!!

すばらしくナチュラルなピッチ補正も、相当に色付けの濃いエファエクトも可能だ。

操作ノブの役割を理解する為にまずはよく知られたエフェクトを紹介する。日本語だとケロケロボイスとかロボットボイスとかパヒュームの声みたいなで言い表されるあのエフェクト実は「シェール効果」って言うらしい。元祖の「Daft Punk」、「T-Pain」はAutotuneを使ったと言われているが最近ではそういう効果を専門にした「Autotune-EFX」や「T-Pain-EFX」のようなプラグインもある。Waves Tuneの場合、2つのノブをいじるだけで簡単に作れる。調整するのはCORRECTION PARAMETERS SECTIONにあるSpeedとNote Transition。Speed=0、Note TransitionSpeed=0に設定すればケロケロVoiceの出来上がり。Ratioは100%のままで良い。

 補正された緑のカーブを見ると見事にカクカクしてる。

 

ケロケロVoiceはおいといてCORRECTION PARAMETERS SECTIONのノブの役割を説明する。

  CORRECTION PARAMETERS SECTION

 

Speedは、0.1 msステップで補正速度を0.1 ms〜800 msの範囲でミリ秒単位で設定する。値を小さくすると、ピッチの輪郭の大部分を平坦化する迅速な補正が行われ、値を大きくすると、元のピッチを維持しながら、より緩やかな補正が行われる。
修正箇所をを個別に選択、またはSelect Allで全選択してからSpeedのノブを動かすとピッチカーブがどのように変化するか目視出来る。

Note Transitionは、次の音程に移行する際の移行スピードを決める。 0.1ms から800msまで0.1 ms単位で設定可能。
値が非常に低いと、次の音符に不自然にジャンプする傾向がある。
修正箇所をを個別に選択、またはSelect Allで全選択してからSpeedのノブを動かすとピッチカーブがどのように変化するか目視出来る。

Ratioは、検出された補正カーブのどれくらいが適用されるかを設定する。
その範囲は0.1%ステップで0%〜100%。0%=DRY。100%=補正。僕の場合はRatioは常時100%。

修正箇所をを個別に選択、またはSelect Allで全選択してからSpeed=0、Note TransitionSpeed=0にした時のピッチカーブは矩形波のように直線的にカクカクしてるのが確認出来るハズだ。

って事はナチュラルなピッチ補正を目指す場合はCorrection SpeedもNote Transitionもむやみに早くしてはイケナイという意味だ。

デフォルト設定だとSpeed:15、Note Transition:120、Ratio : 100だが、この設定は「いかにも直しました」っていうぐらいキッチリお仕事してくれてる感じになっちゃう事もある。スキャンした後でいつでも直せるので気になる箇所を選択してノブを動かしてピッチカーブを目視、音を聴いて決定すると良い。

 

    セグメンテーションセクション

セグメンテーションセクションでは、Tuneが音程毎に分割する条件を選択可能。このセクションには2つの主要な部分がある。スケール選択パラメータ(Scale Selection ) と許容値パラメータ(Tolerance Parameters. )。

ルートとスケール(ポップアップメニュー項目):
ルートはポップアップメニューでスケールのルートノートを定義する。つまりキーがCなのかDなのかとかを定義するデフォルトのキーはC。デフォルトのスケールはChromatic(平均率の半音毎の12音全部)。

ルートもスケールもわからなければデフォルトのままで全く問題ないが、ここを変える事で便利な場合もある。ざっくり言うと、ピッチ修正ソフトってのは信号のピッチ(音程)を検出し、12音の音程の内、最も近い音程にあわせる。つまり、自動補正だと元の音が半音の半分以上ズレていると間違った音程に修正されてしまうって事。曲のキーとスケールを設定してその調に含まれない音はあらかじめ除外しておけばかなり音程をハズして唄っても.........。

たとえば沖縄音楽とかは、ペンタトニックの5音階を使用している。沖縄音階では、「ド」「ミ」「ファ」「ソ」「シ」の5つが使用され、「レ」と「ラ」はない。なのでCのペンタトニックを指定してやれば、黒鍵と、「レ」と「ラ」の鍵盤の所に進入禁止みたいなマークがついて沖縄音階で使われてる音階のところに修正される。 D-Dorianのスケールに設定すると黒鍵は一切使わないスケールなので検出されたピッチが黒鍵に該当する時は最も近い白鍵に補正される。って訳。

って説明文を書いてたら、おりょ、プリセットにOKINAWAペンタトニックが無い。でも心配は無用。自分用にカスタマイズされたスペシャルなスケールも作成可能。デフォルトでは平均率12半音のグリッドだがさらに細かいグリッドも可能だし非西洋スケールでもOK。左側にある鍵盤の下の[Edit Scale]ボタンを使用すると、グリッドの表示が1オクターブだけになり簡単に操作できる。黒鍵と、「レ」と「ラ」に進入禁止マークをつければOK。この進入禁止マークをクリックする毎に上向き矢印になったり下向き矢印になったり消えたりする。上向き矢印の時はもし唄ってた音程が黒鍵や「レ」や「ラ」だったらそのスケールで使われる一番近い上の音に修正、下向き→の場合は一番近い下の音に修正、進入禁止マークだったら上でも下でも近い方の音に修正される。

 

ルートもスケールもまったく触らなくてデフォルトのままで問題ないが、Toleranceコントロールは気にして欲しい。  

許容差:Toleranceコントロールは、ターゲットノートの検出と割り当ての間で機能する。値は0〜100まで任意に決められるが、例えば唄頭が常に低くて正しいピッチになる前にしゃくり上げて唄うってのがわざとならデフォルトの20にしておくとそのまま残せる。意図的にそう唄ったのではなく技量の問題やクセで唄頭や唄中で一瞬低い(または高い)ピッチになってしまうアーティストさんの場合、この数値は重要だ。Noteと書いてある黒い枠中の数値を増やすと持続時間の長い方のピッチに補正される。

唄が上手いアーティストの場合、25以上の数値だと「せっかく唄った微妙なニュアンスがどこかに行ってしまった」って怒られる事は必至なので注意。もしクリスタルキングのミリオンセラー曲「大都会」の冒頭、「あぁ〜あ〜〜、果てしない」をTolerance=100でやっちゃったらあんさんクビでっせ!!

この数値もあとから変える事が可能で修正箇所をを個別に選択、またはSelect Allで全選択してからToleranceの数値を動かすとピッチカーブ(セグメント)がどう変化するか目視出来る。

ここまでを理解すればWaves Tuneにてかなり高度なPitch修正をする事が出来る。



<まだ扱っていない項目>

フォルマント(Formant)補正:デフォルトではnon corrected、 フォルマント補正を行うかどうかを選択する。
ボーカルの場合や木管楽器など同じような共鳴をする楽器はフォルマント補正を選択すると補正なしの場合よりもずっと自然なピッチシフト結果が得られると言われている。
フォルマン補正しないで大幅にピッチシフトを行うと "Chipmunk"サウンドの傾向が現れる。なのでわざとケロケロ音にしたい場合はフォルマント補正はnon correctedが正解。
ボーカルでも半音程度のピッチシフトならフォルマン補正しない方が音が良い(自然)と感じる場合はnon corrected !!

Vibrato:Waves TuneのVibratoコントロール機能はかなり強力で詳細な調整が出来る。が、Vibratoは歌い手の個性が大きく反映される部分なので気に入らなければ唄い直すのがスジだ。あるいは若干行き過ぎを感じる程度ならその部分を選択してベーシックな音程に修正するとほとんどの場合はそれでOK。左側の鍵盤部分を押すとその音程のガイド音が出せるので ガイド音で正しい音程を確認後に修正したいセグメントを選んで鍵盤をWクリックするだけで良い。

MIDI受信/エクスポート:
Receive MIDI モードでは、TuneはMIDI入力されたノートをターゲットノート(お手本)に設定し、スケールとルートロジックをオーバーライドて入力されたMIDI ノートにそった補正を行う。

Export MIDI はWaves Tuneに記録された音程や長さMIDIデータを「.mid」の形式で書き出す事が可能。これにより自分のオリジナル曲を楽器に置き換えたりミクちゃんに唄わせたりする事が出来る。


 

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