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□超初歩からのProTools入門  たとえば 「卒業公演のLIVEを録る」編 


「みんなProToolsだしぃ、買ってみたものの、何がどうなってんのかさっぱり」超初歩から勉強したいけどどうしたらいいかもさっぱり....とは言え1からインストラクション読むってのもなんだかなぁ。以下はそんなミュージシャンの為のプロツールズ超初歩講座。1200ページ近くあるインストラクション(Reference Manual)をざっくり100分の1以下にまとめているのでかなり省略している。より詳しくあるいは正確な情報を知りたい場合はちゃんと本家発売元AVID社純正インストラクションを読む事をお薦めする。


目次 iLok  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 ・・・・・


<とりあえずやってみよう>

1)まずはコンピューターにAudioインターフェィスをつなぐ。

・ProToolsはかつてはDigidigisin社のインターフェィスしか使用出来なかったが、Ver..9以降はいろんなメーカーのインターフェィスを使えるようになった。インターフェィスによってFireWire接続だったりUSB接続だったり色々ある。音色やレイテンシー(遅延)も結構違う。

価格差も随分あるが、学校にあるインターフェィスがMOTU UltraLitemk3なんだよね。音にウルサイオーディオ系の先生が選ぶとRMEのインターフェィス、MIDIで打ち込みやってる音楽系の先生が選ぶとMOTUのインターフェィス、判る人が誰もいない場合はAVIDの純正ってパターンが多いケドね。

2)必要に応じてAudioインターフェィスに対応したドライバーと付属ソフトをインストールする。

・プリンターを使う時にプリンター用のドライバを入れるのと同じ事
  インターフェィスを買った時に着いていくる事が多いが大抵はネットからダウンロード。
  ちなみにインターフェィスのメーカーのサイトにダウンロードのページがあるハズだ。
  その際、MAC (又はWindows)のOSのバージョンにあったものをダウンロードする事!!

  http://www.motu.com/download

ま、そのくらいまではすでに入ってるよね。

MOTU UltraLitemk3は Core Audio / Core MIDIへ対応ってなってるんで何も入れなくてもよさそうなもんだがそうでもない。人によってはそんなものは蛇足と思うかもしれないがMOTUの場合はCueMix FX、RMEの場合はTotal Mixなるソフトが付属してより高機能な事が出来るようになる。

3)ProToolsiLokを空いているUSBのポートに差し込む。

USBのポートが空いていない場合はUSBのハブを使って分岐する

iLokドライバをインストールする。
  インターフェィスを買った時に着いていくる事が多いが大抵はネットからダウンロード
  その際、MAC (又はWindows)のOSのバージョンにあったものをダウンロードする事!!

4)ProToolsのアイコンをWクリックして起動する。

 

※ 1〜3は初回のみ。次回からは ProToolsのアイコンをWクリック。

 

<新規セッション>

{ クイックスタート } が設定されていると、テンプレートからセッションを作成、空のセッションを作成、最近のセッションを開く、セッションを開くなどの選択肢から選べる。新たに何か始める場合は「空のセッションを作成」を選ぶ。{ クイックスタート } が設定されていない場合はプルダウンメニューの左上、アップルマークのとなりにProTools が出て現れるだけでわかりにくいが、この場合は プルダウンメニューの「ファイル」から『新規セッション」をクリックする。

<セッションの設定>

 

オーディオファイルタイプ:わからなければとりあえずWAVで.....

・MAC標準のオーディオファイルは。AIFF、Windows標準はWAV、MACの場合は実はどちらでも使用可能。Windowsの人と一緒にお仕事する可能性がある場合はWAVにしとくと無難。

ビットディプス:わからなければとりあえず24ビットで

・各サンプルの量子化分解能、CDは16ビットで約96dbのダイナミックレンジ、24ビットだと約126dbのダイナミックレンジ、32ビットだとさらに高い分解能が得られる。 シンセメインの打ち込みものばかりなら16ビットで十分、生楽器や唄が入るなら24ビット、特に高音質を狙う場合は32ビットに設定。

ちなみにほとんどのインターフェィスは24ビット。収録時の各トラックの解像度は24ビットで充分でも多チャンネルをミックスする場合、32ビットの浮動小数点は有効。

サンプルレート:わからなければ高音質なら96K、普通で良ければ44.1Kで

・どういったAudioI/Fがつながっているかで使えるサンプルレートは異なる。安価なインターフェィスだとたいてい48KHzまで、標準的なもので96KHzまで、高価なインターフェィスだと192KHzまで選べる。ちなみにCDは44.1KHz、44100分の1秒ごとにひとつのデジタルデータを生成する。当選の事ながらサンプルレートは高い程,時間軸上の分解能は高くなる。ただし、CPUの負担もデータの容量も増大する。シンセメインの打ち込みものばかりなら44.1KHzか48KHzで十分、生楽器や唄が入るなら96KHz、特に音質重視の場合は192KHzに設定する。

I/O 設定:とりあえず「ステレオ」で

・ほとんどの場合、「ステレオミックス」でOK、サラウンドのお仕事の場合はいくつかの規格によりチャンネルの並び順が異なるので注意。僕はサラウンドの場合は「5.1DTSミックス」を使う。

 

以上の設定が完了したら「O K 」を押す。

 

<セッションの保管場所>

セッションの設定が終わり、「O K 」を押すと。セッションをどういう名前で何処に保管するかを決める為の画面になる。名前はデフォルトだと「名称未設定」 、ここは自分で分かりやすい名前をつける。

セッションの保管場所はつながってるディバイス(Hard Diskや SSD)のほとんど何処にでも設定出来るが、残量の少ないハードディスクやのろまなハードディスクはトラブルの元なので極力避ける。FireWireでつながってる7200回転以上のハードディスクが無難。どの階層にでも保存可能だが場合によっては『新規フォルダ」を作成する。何処に保存するかとセッションの名前を決めたら「保存」を押す。 とりあえず、お試しで「Work1 」という名前のハードディスク上に 「test 」という名前のセッションを作ってみる。

 

 

<セッション Start >

「保存」を押すといよいよセッション開始。ギターやシンセ、あるいはマイクをつないで録音、再生したり、MIDIキーボードをつないで打ち込んだり、サンプルを貼りつけたり様々な事が可能になるが、空のセッションを立ち上げた時はミックスウィンドウも編集ウィンドウもまったく何も無い状態。まずは「トラック」について勉強が必要。
ちなみにミックスウィンドウはミキサー状の画面、編集ウィンドウは波形表示のウィンドウだが、

デフォルトだとトラックがひとつも無いので何も表示されていない。

 

<トラックを作る >

プルダウンメニューの『トラック』から『新規』を選ぶ。

 

ライブの収録だったらPA OUTのライン入力とエアマイクの入力、それにそれらをミックスして録るためステレオのAUDIOトラックを3つとマスターフェーダーを一つ作る。左側からいくつトラックを作るか、次がMONOかSTEREOかサラウンド用のトラックかを選ぶ窓、トラックの種類をAUXなのかAudioなのかMIDIなのかMasterなのかを選ぶ窓がある。その右側、「サンプル」なのか「ティック」なのか選択出来るが「ティック」を選ぶとテンポを変えた際にAudioトラックのテンポも変わる。通常は 「サンプル」を選択。 その右「-」「+」はさらにトラックを作るのか削除するのかを表す。さらにマスタートラックを作るには「+」を押してもう一行選択肢が現れるのでそこでマスターに設定。

 

「作成」をクリックするとトラックが作成される。

デフォルトだとAudio1Audio2、Audio3なる。

Audio1をWクリックして名前を書き換える。

たとえばAIR、PAOUT、MIXにする。

AIRの入力は1-2、PAOUTの入力は3-4にする。

 

 

左は「ナロートラック」右は「標準トラック」

プルダウンメニューの「表示」で変わる。

     

 

上の図、デフォルトでMIXの入力は5-6になってるのをバスの1-2にする。

AIRとPA OUTのトラックにAUX SENDを作ってバスの1-2に規定レベルで送る。
 →AIRとPA OUTをミックスしたものがMIXトラックに送られる。

何故AIRとPA OUTのトラック、さらにMIXトラックを録るかと言うと....

AIRのトラック:出音の大きな楽器(ドラムなど)はでかく録音される。良く言えば空気感がある。悪く言えばオフっぽくてクリアさに欠ける。

PA OUTのトラック:出音の大きな楽器(ドラムなど)はあまりPAしないので小さく録音される。良く言えばクリア。悪く言えば空気感に欠ける。

MIXトラック:上記2つのバランスをとるので程よいバランスで収録出来る。

 

<マイクやラインをつなぐ >

AIRとPA OUTを録音するには収録用のマイクやPA OUTからのラインをつながないと何も録音されない。

PA OUTからのラインはXLRではなく必ずTRS(ステレオのヘッドフォーンプラグと同じ形状のプラグ)でつなぐ。

(インプットの3番以降はTRS入力しかない)

 

MOTUに限らずXLRとTRSのコンボジャックを装備したインターフェィスのほとんどはXLRはマイク入力用、TRSはライン入力専用に設計されている。マニュアルにもライン入力時は必ずTRSでと記載されている。

XLRの入力(1と2)に マイクをつなぐ。学校にあるマイクだとC414とかが望ましい。

48Vのファンタム電源をオンにしてからProToolsをREC Readyにする。

ProToolsのメーターを見て入力レベルを調整する。メーターの半分以上振れていて赤が点かなければOK。

 

<録音する >

3CHとも録音Readyにする。

トランスポートの録音ボタンを押してから再生ボタンを押すと録音がスタートする。

AIRとPA OUTをミックスしたものを聞いてバランスをとる。

レベルオーバーに備えてリミッターを入れても良い。

MIXトラックのフェーダーは下げておく。

 

 

 

<録音されたものをファイルとして書き出す(エクスポートする)

編集ウィンドウに切り替えてMIXのリージョンを選択する ( MIX リージョンが黒く反転する)

AIRだけを出力させたいような場合はAIRのリージョンを選択する。(MuteSW はリージョンを選ぶ際は関係ない)

 

<編集や曲の分割 >

もし曲の分割など編集が必要な場合は分割したい場所にカーソルをおいて「command」キーと「E 」キーを同時に押すと分割される。

分割されると自動的に新しいリージョンの名前になる。

3つに分割して3つともエキスポートさせたい場合は3つとも選んで(黒く反転させて)おく。たとえば右の例で真ん中のMIX-04だけエクスポートしたい場合はMIX-04だけ選んで(黒く反転させて)おく。

 

編集ウィンドウの一番右側「リージョン」リストの右上にある▽印をクリックすると出てくるメニューから「リージョンをファイルとしてエクスポート」を選ぶ

 

 

どういうフォーマットでエクスポートするかを決めるウィンドウが出るので以下のようにCDフォーマットで設定する。

どこに保存するかは「保存先のディレクトリ」の「選ぶ」ボタンを押して設定する。

 

エクスポートを押す。

エクスポートされたAudioFileは「Tost 」などのソフトで簡単にCDに焼く事が出来る。

 


わかっているとは思うが以下念のため......

 

<トラックを理解する >

 

プルダウンメニューの「ウィンドウ」からミックス、編集画面を選べる。「ミックス 」の画面はミキサーの様な画面、編集画面はタイムライン(時間軸上)の波形を表示する。「ミックス 」の所にカーソルをあててはなせば。「ミックス 」画面が表示される。ミックス画面はトラック数が多ければ大きなミキサー卓のような表示に、今回の様にトラックが2つだけの場合は以下の様な表示になる。以下画面ではトラック幅は狭めの設定(ナロー)、横幅が倍の設定も出来る。

 

トラックの各パート毎の役割は以下のとおり。

「ミックス 」画面はミキサーの様な画面。この「I A-E 」はAからE の Plug In をInsertする場所。

Plug In はミキサーで言うとイコライザーだったりコンプだったりオシレーターだったり、ハードウエアのミキサー卓の上にあるものや、DELAYやREVERB 、ディストーション等、 ミキサー卓の外にある機材(アウトボード)をシュミレートする。

5つある窓の任意の場所をクリックすると使える機材のリストが表示されるので、カーソルを動かして反転してる場所をクリックして選択。

この「S A-E 」はAからE の AUX-SEND 。

クリックすると 何処のバスやインタフェィスに信号を送るかのリストが出てくるので、カーソルを動かして反転してる場所をクリックして選択。

二段ある上段がこのトラックの入力、下段が出力を示す。

上段をクリックすると 何処のバスやインタフェィスから信号を受けるのかのリストが出てくるので、カーソルを動かして反転してる場所をクリックして選択。下段は出力は和。設定は同様に。

各種オートメーション(時間軸上の動きを記録して再生するモードを選択。
フェーダーグループが組まれてるときはそのグループの色分けが表示される。
パンポット:2CHの場合は左右の任意の場所に、サラウンドの場合は別の画面が表示され、5.1CHの任意の場所に定位させる。MONOにするとここには何も表示されない。
S=SOLO、M=MUTE、I=INPUT、R=REC READY を示す。AUX INのフェーダーは元々外部入力なのでINPUTやREC READYは表示されない。

フェーダーはこの状態でデフォルト(フェーダー下の表示部は0.0が表示されている)。上に上げればレベルが上がり、下げれば下がり、一番下まで下げると音量は絞りきりになる。

フェーダーの右側がバーグラフのレベルメーター、クリップレベルまで上がると市場鵺に赤いCLIPインジケーターが点灯する。(カーソルをあててクリックすれば解除)

 

トラックの名前とタイプが表示されている。下向きの矢印はAUX INPUT、波形のマークはオーディオトラックを表す。トラックの名前はWクリックしてからタイプすれば自由に書き換えられる。
コメントとトラックカラー。一番下の色のついている部分をWクリックするとカラーパレットが現れ自由に替えれる。その上のグレーの部分をWクリックするとそこにコメントが書き込める。
   

トラックカラーの下にあるリストを示す小さなアイコンをクリックするとこのトラックに表示可能なもののリストが出て来る。左側にチェックマークがついてるものが現在表示されている事を示す。そこにカーソルをもっていってクリックすれば変更出来る。

すべて表示させておいてもスクロールすれば見れるが、限られた画面サイズ、特にラップトップなどを使ってる場合は不要なものは表示させない設定にする方が使いやすい。

ここに限らずどのモードでも画面の随所に同様のアイコンがあって必要なものを優先的に表示させておいてあまり使わない画面は非表示にする事で自分用の画面をカスタマイズ出来る。

 


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