mu-s HOME / Study!!menu
□PM-CD

最近、PMCDに関する質問メールがよく来る。まったくのアマチュアの方だけでなく同業者や先輩エンジニアたちからも.....。


どーもこのPMCDに関しては誤解やデマも多く、まるで都市伝説のようにさまざまな説がある。私の尊敬する某有名エンジニアは
Master List CD を使う為にOSを9から更新していないそうな....。( デジデザイン社のMaster List CDはOS9までで終了)他の友人でPMCDに対応する為にプレクスターのめちゃ古いCDRドライブを未だに使っているとか.....。

でもね、でもね、私がデジデザイン社に直接聞いた話ではMaster List CDはRedBookに完全準拠した業務用のマスタリングソフトだがPM-CDには未対応、デジデザイン本社の見解としては、PMCDは日本だけの特殊なレギュレーションで、RedBookに完全準拠とは無関係であり、日本向けだけの為に仕様を変更する必要は無いという事でした。
Plextor社にも設計者に直接確認したが「PM-CDを焼ける機種はPlexMasterのみで古い2倍速や4倍速のPlextor社のドライブならPMCDが焼けるという噂は 誤った情報」だそうです。

PMCDの仕様は社団法人『日本レコード協会」RIS105 「CD用CD-Rマスタ運用基準」付属書 「マスタ情報の記録フォーマット 」に詳しく載っている。この規定は1994年6月2日に制定されたものでその当時ほとんどのマスターは1610や1630といったUマチックのテープで今のように誰でもがCD-Rを焼けるような状況ではなかった。したがって、言って見れば「プロの業者がちゃんとしたマスタを作成する為の基準」を定めたもので現在のようなアマチュアやセミプロを含め、みんながフツーにCDRをマスターにするような状況を想定したものではない。

厳密にこの規格にそったPMCDを作成する為には ソニーのCDW-900E(当時130万円SCSI仕様)という業務用のCDライターが必要。しかし製造中止からすでに10年以上たっており、今入手可能なものは中古品のみ。正規の保守用の部品も2002年に供給停止されている。900Eが製造中止されてからプレクスター社から完全互換のPulexMaster が発売されたがこれももう新品は手に入らない。 中古品もつぶれたマスタリングスタジオから出てくるものやPlayStaitionのマスタリングに使われてたものが多く、ほとんどガタガタの状態、保証無しのジャンク扱いがほとんどで信頼出来るものはほとんどないんじゃないだろーか?!

私のようなプロのレコーディングエンジニアでも最近はマスタリングまですべての工程を頼まれる事も少なくなく、ちゃんとしたマスターが焼けるかどうかは重要だが、PMCDに対応するべきかどうか判断は微妙だ。 製造中止から10年以上たったメーカーのサポートも終わったような機材を使わないと作れないようなマスターの規格ってのもどーかと思うし、今やほとんどのプレス工場でPMCDに対応していなくても REDブックに準拠していてエラーレートの低いマスターなら問題無く受け取ってくれる。(規格は生きてるとは言う物の、さすがにレコード協会も2005年に「CD用マスタDDPファイル互換性ガイドライン(PDF形式)」(DDPファイルでのプレス工場への納品に関する指針)というものを出したが今の所はまだ普及していないし、アマチュアやセミプロのインディーズ盤はまだまだCD-Rマスターだと思う。)

そういった状況下、高嶺安定していたビンテージCDライターの中古市場も今や崩壊、 ヤフオクあたりでCDW-900Eをチェックしても出品者の希望価格5万円だと10中8.9売れ残ってる。実売価格3万円くらいが多いんじゃないだろーか。電源とケースを買うと思えば3万ならまぁいいかなって気もする。互換性の有るユニットCDU-920、924、948S等なら実売3千円前後なのでこのあたりなら試しに買ってみてもいいかも。CDU-948Sはこの仕様の最終版だが1998年から1999年にかけて、民生用に(ロジテックやI/Oデータ、リコー等のブランドで外付けドライブとして)多数出荷されたので中古市場にも結構状態の良いものがころがってるハズだ。

で、DDPファイルについてはとりあえずおいといて、大昔の中古品でマスターを焼くか、最新のDVD-R互換ドライブで焼くかどちらが正解なのだろう? 僕個人の意見としてはどちらも不正解で、極力新しい音楽用のCD-R/RWライターがいーんじゃないかと思う。

また、CDRを 焼くスピードも諸説あるが、今の世の中、大量生産出来ないものは結局絶滅してしまう。最近のものでCD-R/RWライターで低速用に作られてるものはほとんど無いし、生ディスクもその色素が高速焼き込み用に作られており8倍以下のスピードで焼くとかえって品質低下に直結してしまう事もあるので等倍や2倍速で焼くのはお奨め出来ない。

ちなみに新しい音楽用のCD-R/RWライターって言っても現在は一機種しか無い(と思う)。Plextor社の最新型CD-R/RWドライブがそれだが、ビジネス用途の要望によるPlexWriter Premiumの後継機種として2006年に出たPlexWriter Premium2。ATAPIの内蔵型。「業務用』扱いで付属ソフトQ-Checkにより、CD-R/RWの書き込み前と、書き込み後の記録品位測定、TE/FEテスト(CD-Rのみ):記録前のメディアの性能測定、C1/C2エラーテスト、Beta/Jitterテスト:書き込み後のメディアの記録品位が測定できる。価格はBlueRay対応ドライブ並みの約2万円。Windowsだけで動作ってのが悲しいが、まぁ最近のマックはWindowsも動くので...。

 

友人に某Y社で華やかかりし絶頂期にCDRライタを設計してた人や音質で定評ある某PL社のハードのエンジニアでこのあたりの事情に詳しい御仁に聴くと必ず帰ってくる答えがいくつかある。以下記載分、それなりに参考になる意見だ。


・CDの寿命が永久というのはウソ。
・Audio-CDは等倍速または、2倍速、4倍速あたりまでの低速で焼くのが良いとされているが、最新のDVD-R互換ドライブがハイスピードで焼くのは得意だが低速は苦手というのはホント。
・贅沢にでかい電源を積んでるコンピュータは少ないので外付け(外部電源)で駆動した方が安定して焼ける。
・スイッチング電源よりもアナログの定電圧電源をつないだ方が音が良い。
・スイッチング電源でも十分な容量があるデカイ電源の方が音が良い。
・内蔵ドライブはいろんな影響を受けやすく出来ればパス。
・生ディスクのメーカーや型番によって音質は変わる。
・安い生ディスクの場合はプリンタブルタイプの方が音は良い。
・ヤマハのAudioMASTERはCD規格ギリギリの大きさの穴を開けれるのでジッター等、音質に対するマイナス要因を低減させる事が出来るが記録時間は短くなる。また、プログラムによっては盤が反りやすくなったり強度に問題が生じる事もあるので注意。
・古い機材はいつでもそれなりにリスクがある。

DDP(Disc Description Protocol)

上にもちょっとだけ触れたが、最近のトレンドとしてはDDP(Disc Description Protocol)が話題に上る事も多い。ミキサー協会やスタジオ協会でも勉強会を開く等して普及に努めている。元々は1988年に米DCA(Doug Carson & Associates)が光ディスク・プレス業界向けの規格として開発し、オープン・ライセンスとして提供した。

アメリカではスターリングサウンド等、人気の有るマスタリングスタジオで使用されており、試聴確認用にはCDRを使用するものの、プレスマスターには使わないという流れが一般的。ただし、今後ホントにこのフォーマットに皆がダダっと移行していくのかどうかはかなり不透明。その理由としてはDDPファイルを作成する(あるいはコンバートする)ソフトに適当なものが見当たらない。(またはすごく高い)からではないだろうか。スタジオ業界のデファクトスタンダード、誰もが一般的に使用しているプロツールズで簡単に出力出来るようになればきっと簡単に普及するのでは?とも思う。まぁどーなるのか動向が楽しみ。ちなみに一口坂スタジオとかだと自社でプロツールズを使用してDDPファイルを作成するツール を作ってしまったらしい。それ欲しいなぁ....。

 


このページ気に入ってくれた方はご自由にリンクを張って下さい。
ご質問、コメントやご助言は
mu-@mu-s.comまでお願いします。