ピックアップの基礎知識

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・ギターやベースに搭載されるピックアップにはいくつかの種類がある

分類もシングルコイルとハムバッキングとかパッシヴタイプとアクティブタイプとか......。

まずは、シングルコイルとハムバッキングは何が違うのか?ストラトキャスターに代表されるシングルコイル、レスポールに代表されるハムバッキングタイプ、音色の差も歴然だが最も顕著な違いはノイズの量だ。

ノイズと言っても色々あるが、主に「ハム」と呼ばれるブーってノイズ(関東エリアでは50Hzとその倍数、関西エリアだと60Hzとその倍数のノイズ)が一般的。プロのアーティストの場合だとステージ上のライトの調光器から発生するSVRノイズ、ジ〜〜〜とかヒュ〜〜〜とかそんなのが沢山まざったノイズにも注意が必要。

<どうしてハンバッキングはノイズが乗りにくいのか?!>

まずはフツーのシングルコイルは何故ノイズがのりやすいかだが、微細な弦の振動を検出する為には磁石の磁力を強くするかコイルの巻き数を増やす必要がある。むやみに磁力の強い磁石を使うと鉄弦の自由振動を妨げ音が伸びなくなってしまう。必然的にコイルの巻き数は多くなる。まぁ言って見ればたくさん線を巻いたアンテナのようなもの。ちなみに一般的なダイナミックマイク(SM57とか58とか)をアンプにつないで電気製品やパソコン、あるいは壁や天井に近づけると色々なノイズが聞こえる。ギターやベースのピックアップのコイルは普通のマイクよりはるかにたくさん巻いてあるのでそんなに近づけなくても電源ラインから漏れでた微弱な電磁波を容易に拾ってしまうと言う訳だ。

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ハムバッキングピックアップのしくみは、逆に巻いた(位相の違う)2つのピックアップを逆位相で直列接続し、勝手に入ってくる外来雑音のみをキャンセルして実際のギター(ベース)の音は同じ巻き数なら倍の音量で出すような構造になっている(巻き数を少し減らしてるので実際は倍ではないがシングルピックアップよりはかなりでかい)。実際の巻き数はシングルで、 6000〜8000、ハムバッキンでは 1個のコイルに4000〜5000ターン巻かれていると言われている。(直径0.05〜0.06mmの極細の線だ) マグネットは昔はフェライト、その後アルニコが主流、中にはセラミックマグネットや超強力なネオジウムとかのもある。

ノイズの混入とその消去がわかりやすいように上図では「片方の位相を反転して合成」しているが、ギターに実装する際はポールピース部分の磁石のN/Sを逆向き(って事は巻き方も逆)にして直列に接続している。

 

代表的なシングルコイル
代表的なハムバッキング
ハムバッキングピックアップの構造

シングルコイルピックアップはハムノイズを拾いやすいが弦の振動を比較的素直に変換すると言われている。これに比してハムバッキングは2つのピックアップを一対で使うのでコイルの巻き数が見掛け上倍化され、その為コイルの高いインダクタンスにより高周波成分が減衰する。(当然倍音も減る)また2つのピックアップは、その設置間隔分、弦振動を検出するう場所もズレるので倍音出力も異なり打ち消されたり加算されたりする成分もある。理論上出力が倍増している分その先につなぐポッドの値も変わる。(当然高域特性も変わる。)一般的には「中低域の周波数が強調された独特の甘く厚みのある音質になる」とされている。また、アンプにつないだ場合、出力が倍増している分、音が歪みやすく、ロック音楽のオーバードライブサウンド、ディストーションサウンドを得やすい。(wikipediaより抜粋)

ハンバッキングマイクを搭載したモデルの代表は「レスポールタイプ」、シングルの代表は「ストラトタイプ」(テレキャスタイプも)、オリジナルはギブソン社のレスポールモデルとフェンダー社のストラトキャスターだが似て否なるコピーモデルが多数存在する。

ピックアップを複数設置する場合はそれぞれ同一かほぼ同じものを設置する場合が一般的だが、主に音質の多彩さを求めてあえて異なる種類を取り付ける場合もある。同じものを使った場合、一般的にはネックに近くなるほど甘く角の立たないトーンに、ネックから遠ざかる(ブリッジに近くなる)ほどシャープで歯切れが良いトーンになりやすい。 設置位置により、ネックに近い方をフロント(あるいは、そのまま「ネックポジション」)、遠い方をリア(ブリッジポジション)と呼ぶことが多いが、ネック側を「RHYTHM」ブリッジ側を「TREBLE」などと呼ぶものもある。ピックアップを3つの場合は3つ目をその中間に設置し、センターやミドルなどと呼ばれる。4つ以上ってことはあまりなく、そのため一般的な呼称は定まっていない。

相変わらずストラスやレスポールのコピーモデルも多いが、最近ではブリッジ側にハムバッキンを、ネック側にシングルを設置し切り替えたり、5ポイントスイッチでハーフトーンを合成出来たりするモデルもある。

   
Sugi DS499
 ブリッジ側がハムバッカー、ネック側がシングル

 


また、セミアコなどでは普通のマグネチックピックアップとピエゾピックアップを混在させる事もある。ピエゾの方はアコースティックギターに多く搭載され、ブリッジと一体になってるタイプやボディの裏に圧着されてボディ振動を主に拾うタイプがあるが、ボディの形状や構造によって何処に設置したかで出てくる音が個体により大きく違うため、設置場所だけで統一した呼び名はあまりない。

 

ちなみにコイルの巻き数や磁石の強さによる出力レベルとの関係は以下のとおり。磁力を強くするかコイル巻き数を増やすと出力は大きくなる。しかし強すぎる磁力は弦の振動を減衰させたりするし、コイルの巻きすぎは高域を減衰させる。同じ位の磁力でも磁石の種類によって音色も相当変わるが言葉では説明しにくい。

<アクティブピックアップ>


ギターを鳴らしていない状態で生じるノイズを、「電磁ノイズ」(誘導ノイズ)といい、これを減らすためにハムバッキングを使ったりピックアップからの配線を工夫したり、ギターの内部にシールドを施したりするが、ノイズ対策に最も有効なのはアクティブタイプのピックアップに載せ変える事だ。ただし、音系はピックアップのメーカーによって随分変わるので好き嫌いがあるかもしれない。そのあまりの癖の無さ故にアクティブは好きじゃないという御仁もいるが、普通はアクティブタイプに変更すると、まずノイズの少なさ、高出力、場合によっては周波数特性のフラットさに驚かせられる。イコライザの効きが素晴らしいものもある。80年代に大ブームになったが最近はあまり流行ってない。パッシブの方も進化して低ノイズながら高出力&高域が出るタイプが、出て来た事も一因だが、昔に比べギターの価格が大幅に下がっている中、良心的なアクティブ回路を組むと同じギター本体に換装されていながらギターの価格がめっちゃ高くなってしまうなんて事が原因?とも思う。

実はアクティブ回路と言っても多種多様ある。プレィヤーもメーカーも販売店もちゃんと分かってる人もいれば全然わかってない人もいる。電池が入ってれば広義で言えば一応アクティブなのだがそーいう問題??? 大きく分けると2種類。一つはパッシブのピックアップをそのまま使って電子回路を追加したもの。もう一種はアクティブ専用のピックアップとそれ用の電子回路を搭載したもの。

シングルとハムバッカーは主に音色の違いと思ってる方々から見ると2種類のアクティブも単なるバリエーションでしかない。しかし、「ハムバッカー」はその呼び方からもわかるようにもともとはハムノイズの低減の為の技術で音色の違いは副産物だった。都心のちゃんとした業務用のスタジオではスタジオ自体を外部からのノイズが入らないようにバッチリシールドしている(そういうスタジオだと携帯の電波も入らない)のでノイズなどほとんど問題にならないのが普通だが、山間部のリゾートスタジオや居心地最高の別荘で合宿なんて時には「どーしてもノイズがとれなくってモー大変!!!」なんて事も多々あり、そんな時はちゃんとしたアクティブシステムが真価を発揮する事になる。「え?アクティブってノイズに強いの?」って今ごろ言ってるあなた、もともとはその為に出来たんだよぉ。。。。。

では、ノイズに強いアクティブとそーでないアクティブは何が違うかと言うとピックアップ部分だ。エレキギターのピックアップは永久磁石の芯(ポールピース)にコイルを巻いた構造で、その上にある鉄弦の振動により電磁誘導で電力が発声するというしくみを使っている。アクティブ用のピックアップは巻き数も少なく磁石も比較的弱い磁力のものを使用しているのでピックアップ自体の感度が低く外来ノイズを拾いにくい。弦振動はマグネットのすぐそばなのでちゃんと拾うが出力は低いので電子回路で増幅する。
ピックアップを普通のパッシブ用の物を使うとその後ろに電子回路が付いていてもすでに拾ってしまった外来ノイズも一緒に増幅してしまうので耐ノイズ的には効果が半減してしまうという訳だ。(アクティブ回路以降はインピーダンスが下がるのでたとえばギターからアンプまでの経路とかではノイズは拾いにくくはなる.)

 

 

<アクティブシステム>

下の図はEMGなどの典型的なアクティブシステムの概略図。わかりやすいようにピックアップセレクターは省略してある。左半分(ピックアップ部分)がアクティブ用のピックアップ。ここをパッシブと同じにすると「低ノイズ」の御利益は半減する。音質の操作面や高出力化だけが目的の場合は図の右側だけでもOK!

逆に図中、左側のピックアップの中にある「バッファ」のゲインを上げ、イコライザ部分は従来のパッシブ(ギターのTONE部分)を使うっていう方もいる(この場合、音質は高音を絞る事しか調整出来ない)。ピックアップ交換と電池とスイッチの追加だけなのでお手軽ですが。


ま、私は「アクティブシステム」が良いと思いますが、ご予算次第でしょう。よく「EMGのピックアップは好き?嫌い?」なんて話題がネットでも雑誌等でもありますが、前述した「アクティブにする意味」が分かってんのかどうか疑問に思う事も多々あるし、弾き手の腕や調整次第のあたりを棚に上げてんじゃないの?って論議もある気がする。実はいろんなメーカーのハイエンドモデルには始めからEMGを搭載したモデルも多くある。ただ9Vの電池一本で省エネを考えると電子回路に制約があって耐ノイズ特性を考えない場合は音質はパッシブの方が良いと言う場合もある。このあたりはまだまだ改善の余地があると言える。たとえば電池2本にするとか、電池の持ちは度外視して昇圧2電源回路を使うとかだが、なにしろ電池が切れたら音も出なくなっちゃうのでどこでどう妥協するかは難しい。

エレキギターはエレキなのにボディやネックの木の材質によってすごく音が変わる。メーカーで売ってるギターは木の材質や形状、ブリッジや各種部品を熟考し、その後(エレキとしては重要な)ピックアップやポッド等を取り付けて全体の音質を決めている(と思う)。もちろんその時点で部品や製造コストも勘案して定価を決める(と思う)。エレキとは言えデザインや材質に比べピックアップやポッド周りだけがやたら高いと、買う人(買える人」も少ないのでほとんどの場合中級以上のモデルにしか搭載されないという訳だ。パッシブのピックアップもメーカーによって音が随分違うのでパッシブ→パッシブで交換するユーザーもいる。これは比較的簡単なのだが、ギター(ベースも)購入後にパッシブ→アクティブの改造ってのは結構敷居が高い。しかも高価な投資にもかかわらず耐ノイズ性能以外は良いも悪いもやってみないとわからないしやり始めたら超「奥が深い!」。

自信の無い方はメーカーがアクティブで組んでる製品を弾いてみて気に入ったら買うってのが良いと思う。

 

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