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<音質の評価は測定機による計測、人間の耳による聴感的な聞き取りによる計測がある。>
音質評価、実験・検証はさまざまな会社や研究機関でさまざまな方法で行われているが、『音』に関しては物理的な数値が必ずしも客観的な評価と一致するとは限らず、客観的な評価も人により意見がわかれる等、あいまいな部分が多い。たとえば周波数特性、歪み率、SN等、スペックが一定以上をクリアしていても、聴感上明らかに音質の変化が認識される訳だが、どの部分でどのように変化するかを計測するのは中々難しい。また、人間の耳による聴感的な聞き取りは、聞き分けられる耳を持つ音響専門家でも相当難しい。
また、視覚的イメージやブランド名等先入観が影響する場合も考えられるので、当事者、被験者、実施担当者のいずれもが何処を変えたか知らない状況で評価する『ダブルヒドントリプルシュテムラス法』が用いられるがこれも簡単ではない。
同じフォーマットのオーディオファイルを検証する際のABXテストとABC/HR比較に関する詳しい説明は以下リンクを参照。
オーディオファイルのABXテストとABC/HR比較のやり方 著者:AnonymousRiver (匿川)
<スピーカーによる音質変化の評価例>
スピーカーの評価にあたってはスピーカースタンド、アンプ、ケーブル等、再生系の各部分で、音質が変化してしまう場合が多々あるため、注意が必要。有効な評価方法として、音質の良い数々の銘機で有名なJBL社の評価方法はよく知られている。
JBL社の評価方法:スピーカーの評価の場合、再生系はスピーカーを除くすべての機器は同一条件、また再生位置再生レベルも厳密に同一にセッティングされる。特別な稼働部分を持つスピーカー台に載せた評価スピーカーはどれか1台がセンターに来る。モノラルで完全に同一レベルで再生。当事者、被験者、実施担当者のいずれかもどのスピーカーが再生されているかは照明操作により見えないようになっている。楽器単音&各シャンルの音楽ソースが使用される。実験は複数回実施され、同一条件で評価がバラつく評価者は排除される。同社開発スタッフ当事者であっても自社製品に最も辛い点をつけてしまう事もあるらしい。
<スピーカースタンドによる音質変化の評価>
スピーカーの個体差を排除するためめんどうでも同一のスピーカーを使用する。
(意見は別れるが)現状、基本的にはモノラルでセンターに置いて評価。
再生位置はツイーターが毎回同じ位置になるようにセッティングする。
セットチェンジの自動化は難しく、セッティングは手間も体力も必要。
被験者も当事者も実験担当者も現在どのスタンドを使用しているかわからないようにするのは見た目が全く同じスタンドで無い限りかなり難しい。
またA-B比較評価はセッティングに時間がかかるので困難。
完璧にセッティングされた各スタンドで再生された音をマイクを使って収録、編集して聴くという方法もあるが、マイクや録音機のもつ情報量は人間の耳の能力に比較すると充分とは言えない。
また、再生時どのスタンドに置いて聴くかも重要な問題となる。超伝導磁石によるフローティングは磁力や低温による影響が考えられるし、天井から吊る場合も天井強度や吊り方法を考慮しなければならない。
<アンプよる音質変化の評価>
スピーカーやスタンドと比較すると評価方法は簡単だ。厳密にレベルを合わせておき、あとは機器毎に入出力を差し替えるだけ。
<ケーブルよる音質変化の評価>
過去、ケーブルの評価には相当量の長さが必要と言われ、長尺ケーブルを巻いたままつなぎ込む等を行なう方々もいたようだが、レコーディングエンジニアとしての経験から言えば2mのケーブルで充分に違いを認識出来るハズだ。同じ6N(99.9999%無酸素銅)ケーブルでもアクロテックの緑と青は随分キャラクターが違う。建築設備等では便利なマルチケーブルが多く使用されるが、先進的なレコーディングスタジオでは6Nケーブルじか引きしている。音質は随分違うという事を経験して欲しい。
<レコーダーよる音質変化の評価>
かつてまだアナログテープレコーダーが主流だった頃、出たばかりのデジタルテープレコーダーをパラに接続して録音し、試聴すると「なんだデジタルって音、良く無いじゃん」って結果はよくあった。従来のアナログテープレコーダーに最適のレベルを送るとデジタルレコーダーの標準レベルセットだと録音レベルが低すぎて音が悪かったのだ。当時アナログテープレコーダーは0dbの信号を送って0dbに合わせる。一方デジタルレコーダーは0dbの信号を送って-16dbに合わせる。アナログテープレコーダーのメーターが振り切ってもデジタルレコーダーのメーターは10db以上余裕があった。デジタルでいい音で鳴らせるくらいレベルを送るとアナログレコーダーのメーターは振り切れっぱなしでバリバリに歪む。...という訳でまともな音質評価は難しかった訳だ。
そんな評価結果でも、アナログは次第に消え、デジタルの時代が来たが、デジタルテープレコーダーもほぼ使わなくなり、最近のスタジオ標準はPro Toolsだ。で、Pro Tools VS 次世代機で音質評価って話もよくあるのだがコレがまた難しい。
次世代機、具体的には1ビットレコーダーだが、市場では48CHのGenexGX9048、8CHのGenex GX9000、2CH(複数台シンクで最大512トラック可)のTASCAM DS-D98、同じく2CHのTASCAM DV-RA1000、シャープの8CH_ADA(Fostex2424をデータ記録部に使用、複数台シンクで最大128トラック可)、KORGのMR1000など、使い勝手でPro Toolsを超える物は一つもないから今の所マスターレコーダーとしてのニーズ。
何故難しいか?アナログテープレコーダーの頃はMRLの標準TESTテープで出力をきちんと調整し、次に卓から信号を送って入力レベルを合わせるという手順があった。デジタルのメリットは「無調整で均一な性能が保証されてる」事になっているので、MRLの標準TESTテープに相当するものがある訳はない。調整箇所が無かったりボリュームで自由に決めれるようになっていたりバラバラだ。
音量はキッチリ合わさないと音質評価は出来ない。同じ機材を使用して片方の音量を僅かに大きくしてブラインドテストを行うとたいがい音量を僅かに大きくした方が『音が良い』という評価を得る。
「暫定的にどれか1台で録ったものを標準TESTテープ代わりにしてレベルを合わせては?」.....暫定的に選択した1台が優位になるかもという懸念もあるが、まぁよしとしたとしても同じ2.8MHzのDSD同士ならという話。5.6MHzや11.2MHz機との比較、Pro Tools VS 次世代機の時はどーすればいいんでしょうね?「アナログの出力レベル一緒ならいーんじゃない?」「そーかなー、アナログで出力しないでデジタルのファイルとして書き出したりも普通にあるっしょ?!」
......って訳で「こうすればいーんじゃないですか?!」ってご意見をお待ちしております。
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