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イコライザー(EQULIZER)とは?

イコライザーとはラジカセやカーステレオについているような低音、高音のつまみで音質を調整するたぐいのトーンコントロールに似た物だが、より高度な調整が可能なもの。特定の周波数をブーストしたりカットしたりする事により音色を調整する。コンソール上に内蔵されたものから、ラックマウントタイプ、ギターやベースに使用するコンパクトエフェクタータイプ、ソフトウェアでPCの内部で動作するタイプ、など様々なものがある。PAやRecordingの現場では無くてはならないものと言える。

イコライザーの種類
ざっくり大きく分けるとグラフィック EQ とパラメトリック EQの2つがある。
グラフィック EQ
グラフィック EQは、いくつかの決まった周波数、(普通は低域から高域まで1/3オクターブづつ)に対応するフェーダーがズラっと(左側が低域、真ん中が中域、右側が高域)並んでおり、対応する周波数のフェーダーを上げ下げする事で、特定周波数周辺の音量を増減するタイプ。(左右どのくらいまで影響するかは「Q」で可変可能なものもある。)周波数の山谷(増減)を直感的に視覚でとらえる事が可能でわかりやすい。主にステージ上のモニター送りで使用される。調整できるポイントがフィックスされている物が多いので、自由度は少ない。
コンパクトエフェクターやミキサーのFB出力など、ポイントを大幅にはしょって6ポイントくらいにしたものもある。
ギターのコンパクトエフェクターとしてよく知られている 「BOSS GE-7」 の場合、100、200、400、800、1.6KHz、3.2KHz、6.4KHzの7つの帯域に分けて調整できるようになっている。それぞれのの周波数帯域は、0がノーマルの状態で、ブーストは+15db。カットは-15dbまで変化させることが出来る。
パラメトリック EQ
パラメトリック EQは、増減する周波数を連続的に変えて設定できるタイプ。ほとんどのスタジオ用コンソールはこのタイプのEQ(3 or 4バンド)を搭載している。ソフトウェアタイプだと1バンドから10バンドくらいまで自由に選べるがバンド数が増えるとCPUの負担が増すものもある。

どういう時に使う?
音を明るくしたり、暗くしたり、(Noiseなど)不要な音を軽減したり、不快な音の周波数帯域をカットしたり、PAなどではハウリングしそうな帯域を削ったり、用途は様々だ。
もちろんメインは積極的な音創りだ。たとえば 欲しい音域、足りないと感じる音域(バスドラの低音が足りなくて妙に軽い等と感じたら低域50〜100Hz)をブーストしたり、うるさい、不快、過多と感じる音域(たとえばタムタムの中低音がモッコリしていていまいち抜けない等と感じたら中低域200〜300Hz)を削る。また、低域が足りない場合に、低域を増強するだけでなく、同時に中低域を少し削って極端にゲインが上がってしまう事を避けるとか、同じく低域が足りない場合に、低域は少ししか上げないが超高域(12.5KHz〜15KHzをブーストして低域は少ししか上がってないが目立つようにする等のテクニックもある。基音だけでなく倍音やサブソニックの帯域も含めてコントロールする。

調 整 項 目
アウトボード、プラグインを含め様々な種類のEQがあり、一概には言えないがおおむね以下のような調整項目がある。
FREQUENCY 増減(ブースト、カット)する周波数を設定。
GAIN FREQUENCY で設定した周波数の音量を増減(ブースト、カット)する。
Q(WIDTH) FREQUENCY で設定した周波数から、周辺どのくらいの幅を調整するか設定する。Qの数字が小さいほど帯域が広く、数字が大きいほど帯域が狭い。最大にするとノッチ型フィルタとして使用可能でたとえば50Hzのハムノイズだけを減らしたい場合等に使う。
Shelf/Peak

通常設定だとPeak(Bell)タイプで、特定周波数を中心に増減(ブースト、カット)するが、HiShelfスイッチを押すと指定した周波数を境にそれより高域を一律に増減(ブースト、カット)する。(LowShelfの場合はそれより低域を一律に増減(ブースト、カット))

バイパス

イコライザーのパッチを抜いたりつまみを戻さずにイコライザーがかからない状態にする。

EQ ON ほぼバイパススイッチと同じ。EQONする事でEQが有効になる。OFFにすればスルー。
位相反転 位相(極性)を反転するスイッチ。パッチの接続(信号を取り出す位置や戻す位置)によっては信号の位相(極性)が反転してしまう場合があるのでそういった際はこのボタンを押す。
HiPass(LowCut)Filter

設定した周波数以下の音を激減させる為のフィルター。シェルビングで下げるよりかなり急峻なカーブでカットする事が出来る。たとえば可聴限界以下の不要な周波数のカットなどに有効。

LowPass(HiCut)Filter

設定した周波数以上の音を激減させる為のフィルター。シェルビングで下げるよりかなり急峻なカーブでカットする事が出来る。たとえば高域に照明ノイズなどがあるような場合に有効。

INPUTトリム

極端なEQでEQ内部で歪む事が想定される場合や左右別EQでレベルをそろえる場合等に使用。

OUTPUTトリム

EQ後の出力調整。EQの後に別のエフェクターを接続するような場合のレベル調整に使用。

使い方

グラフィック EQ の音作り
慣れているエンジニアは目的の周波数周辺を、慣れていない人は、まず全てのフェーダーを一直線のフラットな状態にして、端から順に一つずつフルまで上げて戻すを繰り返す。ゲインを上げてどういう音になるかを確認し、どのポイントのどういう音色の変化が有効かを判断した後、必要なレベルだけ上下させる。
パラメトリック EQの音作り
WIDTH(Q)は初期設定のままで(つまみは12時の位置)、ゲインを最大にしてFREQUENCY をゆっくりまわして行くと、どのポイントでどういう音色になるか(音色のキャラクター)がつかめる。このポイントの音が求めている音に近いとか、このポイントの音は嫌いな音色で削るべきとか、そういうポイントを探す。FREQUENCY をその位置に決めたら、次にゲインを増減して自分が望む量で止める。

周 波 数 帯 域
「低音が」、とか「高音が」とか言っても明確に何KHzから何KHzまでが低音、何KHzから何KHzまでが高音といった定義はあまり聞かない。(どなたかそういった定義をご存知でしたら教えて下さい。)したがって以下の区分は私のフィーリングに基づくので学術的に正しいかどうかは定かでないが同業者(レコーディングエンジニア)の方々はほぼ似たような認識ではないだろうか。
超低域 0〜20Hzくらいはスピーカーの再生限界以下でこの帯域が録音されているとスペーカーのコーン紙が変な動きをする場合も有る。人間の可聴限界以下でもあり、やばそうな楽器(ベースやバスドラムなど)の超低域はフィルターでカットする。(超低域が含まれているかどうかチェックするためには大型のスピーカーかスペクトラムアナライザーが必要)。ちなみにピアノの一番下の鍵盤はA0(27.5Hz)。
低域 だいたい50Hzや100Hzからせいぜい200Hzくらい。
中低域 だいたい300Hから600Hzくらい。音叉の音は440Hzでピアノの真ん中に座って右手のある位置のラ(A4)の音。ギターのチュ−ニングにもこの音を使う。
中域 だいたい1KHzから3KHz(エンジニアのEQの際のポイントとしては感覚として3KHzも中域だが、ピアノで言うと一番上のG、ピアノで最も高い音がC7で4.19KHz)
高域 5KHzから10KHz。このあたりを上げると音を固くするとか明るくする、あるいはヌケをよくするが、上げすぎるとシンバル類が目立ったり ギラついた音になったりする。
超高域 12.5KHzから15KHz。人間の可聴限界はおおむね15KHzくらいまで、CDの再生限界22.5KHzは人間の可聴限界を超えていると言われるが、12.5KHzから15KHz、さらにはCDの再生限界22.5KHzより上にも多くの倍音成分が含まれており、単体でその周波数帯の音は聞き取れないが、その周波数帯に有る倍音をカットするとその変化がわかる人も多く存在する。エンジニアがEQを操作する際にも12.5KHzや15KHzはよく使用する周波数。

EQポイントによる印象

総じて50Hzや100Hz付近を上げるとKickやBassが目立つようになる。
バスドラムが軽いと感じたら50Hzや100Hz付近を上げる。
バスドラムの50Hzや100Hz付近を上げてメーターが振り切ってしまったり、妙にモッコリしてしまったりする場合は中低域の300Hz 付近を少し削る。
ただし300〜400Hz付近を下げすぎると音の太さや力強さが無くなる。
TOMTOMやスネアドラムの皮の音が足りないと感じたら160Kz付近を上げる。
モッコリしてしまったりする場合は中低域の300Hz 付近を少し削る。
EGの場合、中低域の 500Hz 付近を上げると多少腰の強い音になる。
EBの場合、100、200,400を上げると音が太く、1.5KHz付近を上げると弦のアタックが強調される。
マスターで400〜800Hz 付近を少し下げて、低域と高域を上げ目にすると、いわゆる「ドンシャリ」になる。
音のヌケが悪い時は3Kと7K、または5Kと10Kを同時に上げるとスッキリする事が多い。品よく上げたい場合は12.5Kzや15KHzを上げる。
ただし、以上の記述は、楽器によって様々なので一応の目安。

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