mu-s HOME / Study!!menu
リミッター(LIMITER)

〔制限装置の意〕自動車で、ある設定速度や回転数を超えると自動的にエンジン出力を抑える装置。
三省堂提供「大辞林 第二版」より

ん?ちょっと違うか?!音楽の世界で言うところのリミッターは、中々説明が難しい。
めちゃくちゃ簡単に言うと、「設定したレベル以上の音が入ってきた際に音を圧縮する機材またはソフト。」かな。

発振機で「ピー」という音を発振させ、その音をだんだん大きくしていくと、限界点を超えると音が歪み、「ピー」ではなく「ビー」になってしまったり「バリバリ」になってしまったりする。単純な「ピー」じゃなくて普通の楽音の場合も同様だ。下の図は信号レベルをだんだん上げていって限界を超えると音が歪む領域に入る事を表している。

「ピー」
だんだん大きく
さらに大きく
ここで限界
歪む

再生可能な最も小さな音から、これ以上はムリという限界までをダイナミックレンジと言うが、リミッターは限られたダイナミックレンジを超えないようにレベルを押さえ込む。下の図は小さい音から徐々に音量を上げていってあらかじめ設定したTHRESHOLDレベルを超えるとそれ以上のレベルは押さえ込まれてあまり増加していない事を表す。

「ピー」
だんだん大きく
ここまではリニアに
僅かしか大きくならない
歪まない

こういった機能を利用して音の粒をそろえたり全体の音量を上げる為に用いる。特に近年、CMやシングルの楽曲では放送にのった際、他の作品より少しでも大きなレベルを要求される場合があり、ミックスの最終段にリミッターを用いるのは常識となっている。

上の図ではTHRESHOLDレベルを超えてレベルが押さえ込まれた分、ピークレベルが小さくなったように見えるが、THRESHOLDレベルを超えた音を圧縮する事でピークレベルで音が歪む領域までに余裕が生じるため全体レベルをそっくりアップする事が可能になり聴感上のレベルを上げる事が出来る。かつては送信機内部のオーバーロードや過変調による真空管の破損を防ぐための機器だったリミッターが、音量を上げる為に使用されている。大昔に退役したビンテージのリミッターが今でも現役で使用されている。リミッター、奥が深いねぇ.....。

ちなみに「音量を上げる」という目的で最もポピュラーなリミッターはWAVES社のL1ウルトラマキシマイザーだろう。プラグインタイプでProToolsを筆頭にDigitalPerformerやLogic,Cuebase VSTなど多くのソフトウェアに対応している。操作が簡単で失敗が少ない事は特筆ものだ。(リミッターは操作が難しく両刃の刃といわれ、経験の浅いエンジニアは一朝一夕には使いこなせないものだった)改良型のL2や帯域分割型のL3も素晴らしく良い。最近ではPAでも使用可能なハードウェアタイプもある。

1)Out Ceilingを設定する。上の図の左から3列目、Out Ceilingと書かれたすぐ下の黒いBOXに直接書き込むか、その下のオレンジの三角形をマウスでつまんで動かす。Out Ceilingとは出力レベルの天井で通常はほんの僅か余裕を見て-0.3dbとか-0.5dbとかに設定する。入力レベルがどんなに大きくても出力レベルは絶対にこの値を超えない。

2)Thresholdを設定する。上の図の左から2列目、Thresholdと書かれたすぐ下の黒いBOXに直接書き込むか、その下のオレンジの三角形をマウスでつまんで動かす。-3と打ち込めば3db、-6と打ち込めば6db入力信号がブーストされる(音が大きくなる)。で、1)で設定したOut Ceilingを超えた音は残らず押さえ込まれる。どのくらい押さえ込んでいるかを示すのが右から2列目のAttenと表示されたメーターで、アッテネーションした分を上から下方向に振れて表示する。
3db〜6db、瞬間的に12dbくらいまでなら良いが、常時それ以上アッテネーションしてるようだと当然音質に影響が出る。もしThresholdをゼロにしてもAttenのメーターがバキバキ振れてしまうような時は一番左の列のInputを下げて調整する。左右のレベルが違って調整が必要な場合もここで調整。

3)IDRを設定する。上の図のいちばん右の列、IDRと書かれた下に四角い枠で表示された選択ボタンがあるのでコレをクリックして設定する。IDRとは、たとえば作業中のファイルフォーマットが24ビットでCD用に16ビットで出力したい時に用いる。24ビットファイルを24ビットのダイナミックレンジのまま(そんなうまい話はある訳ないが)うまいこと16ビットに丸め込んでくれる。スーパービットマッピングの高級版みたいなもの。上の図のセッティングがお奨め。

4)Releseを設定する。上の図の左から4つめの列、Releseと書かれたすぐ下の黒いBOXに直接書き込むか、その下のフェーダーのつまみをマウスで動かして設定する。EBをオルガンのペダルベースっぽくする等、積極的な音創りに利用する事もあるが、へたにいじると不自然になりやすい。プロのエンジニア以外はデフォルトのまま使う方が良い。尚、上級機のL2やL3にはAuto Relese Control機能も搭載されている。

このページ気に入ってくれた方はご自由にリンクを張って下さい。
ご質問、コメントやご助言は
mu-@mu-s.comまでお願いします。